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ハイソな余裕 書評:フェミニズム殺人事件

フツーだ、普通過ぎる。

本を読むたびに本の内容とは関係ないことにまで影響を受けるのが私にとっての筒井康隆筒井康隆 であるが、今回はそういうのがまったく無し。ストーリーの展開や犯人など、どれをとっても世間一般のミステリーと同じに思える。

・・・作家である石坂は6年振りに会員制の高級ホテルへやってきた。構想まで出来ている小説を書き上げるためだ。魅力的な支配人夫婦やすばらしい料理、ホテルの魅力はどれも6年前と変わらない。顔なじみの滞在客も同様だ。ただ、最近会員になったらしい地元の名士とやらがどうもなじまない。

ホテルで過ごすうちに殺人事件が発生する。被害者は例の地元の名士とかいうヤツだ。しかし犯人が捕まる前に第二、第三の殺人が発生する。

・・・とにかく目立つ設定が無い。あるとすれば出てくる料理くらいだ。本のカバーにはホテルの料理を象徴するかのような真っ赤な伊勢エビがどーん。次々と運ばれてくる料理はいかにもハイソだ。どこか現実離れした印象がなくもないが、殺人事件をくるむにはちょうど良いのかもしれない。

先日、恵比寿の小さなギャラリーに個展を見に行った。パティオから入る光が隅々まで行き渡る白い空間は小さいガラスの器ようだ。会場は大盛況で次から次へと人がくる。みんなハイソに見える。

正直言うと、根っからのハイソという感じではなかったけれど、少なくとも私なんかよりは何倍もハイソだ。私はと言えば、ジーンズに色褪せた青い横縞のポロシャツ、一応襟はある。プラス、バックパック。このバックパックがダメだね。

会場で見るもの出てくるものが皆違う。私も皆と一緒に先生を囲んで写真に収まったが、浮いてる様子はさながらガラスの器の水に浮かぶアリである。

なんだかんだ言っても私はハイソと言われる生活に憧れている。それにどれほどの価値があるのかと問われれば「消費の一形態」でしかないと思うし、憧れる自分に表現しにくい後ろめたさも感じる。ただ、私はハイソの持つ余裕みたなものに憧れる。たかだか7、8万円のカメラを買うのに(買いました 😉 )何日にも迷って落ち着きを失う自分がイヤになる。

本書に登場する、高級料理を前に会話を楽しめる宿泊客達には殺人があってなお漂う余裕がある。いや、余裕というよりは平静を保とうとする力と言った方がいいかな。そんな登場人物たちの様子が、話の中で出てくる食事に凝縮されているような気がする。

デカイ伊勢エビなんて食べてみたいもんだ。食べ方わかんないけど。

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古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

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コメント / トラックバック

  1. アクト
    2009年09月26日 土曜日 00時20分

    「ハイソ」も死語になったよね~。(笑)

  2. 管理人
    2009年09月26日 土曜日 22時05分

    アクトさん

    やっぱり死語ですかね。なんかそんな気はしてました。orz

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