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身に覚えがあります 書評:老人力

書名は「老人力」、近頃「なんたり力」というのが流行している。と言っても本書の初版は1998年だから、もう10年近くも前ということになるので現在の流行とはあまり関連がない。

本書は文庫も出ているようだが、ここは一つ、もう一度上製本をつくって並べてみてはどうだろうか。「鈍感力」「決断力」「老人力」「実行力」・・・。これだけ並べれば3,000くらいは引っかかる出るんじゃないだろうか。

老人力とは、老いるに従って表面化してくる能力のことである。細かいことにこだわらず、あるがままを受け入れる、そんな力のようだ。私はまだ皆目見当もつかない・・・、と言いたいところだが、悲しいかな身に覚えがある。

私は近頃体力、記憶力の衰えは甚だしいが、ダメだなあと思うのが短期記憶。

例えばブログのネタを思いつく、「おっ、これはイケル!」と思ってからちょっと違うことに目がいくと、さっきのネタは存在だけを残して消滅する。まるでごちそうのイイニオイだけがそこにあるようだ。

どうせなら思いついたことも一緒に忘れて欲しいのだが。

本書でもこの記憶力の低下が大きく扱われている。

いまの情報化社会、記憶力の低下はある種の不安を増幅させる。もともと覚えきれないほどの情報が身の回りにあるのに、チラと記憶の片隅に残った瞬間「忘れてしまうかも」と不安が頭をもたげる。

ネットには、それはもう大変な量の情報がある。私も一頃メモをしていたが、なぜかメモしたものをうまく使えない。そうしてメモをとる方法をいろいろ考えた。

最後に出てきたメモの方法は、「自分の記憶力を信用する」というものだった。つまり「メモしない」である。だいたいにして自分の設定した前提条件を覆す結論である、何かがおかしい。

きっと私は気持ちよさをとったのだと思う。

私は学生の頃から休日は腕時計をしなくなった。学生当時、というかいまもそうだと思うが腕時計が流行っていた。私もご多分に漏れず大好きで、いろいろ探して(私の懐具合からすれば)ちょっと高いものを使っていた。

ところがある日、日に何回腕時計を見てるんだろうかと気になり始めた。「さっき見たときは25分くらいだったから・・・」時計を見過ぎだと思った。自分で時間をコマギレにしていると思った。

で、休みだけは腕時計するのヤメました。そうして私は時間を気にしなくなった。時計をしないで外出した日、ハッキリと「気持ちがいい」と思ったことを覚えている。

情報社会って、みんなケチになるんです。情報を全部抱え込もうとするから、ぱっと捨てられなくなる。僕ももとはケチなほうなんだけど、老人力って、捨てていく気持ちよさを気づかせてくれるんですよ。ボンボン忘れていくことの面白さ。(老人力 より)

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古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

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コメント / トラックバック

  1. アクト
    2009年08月30日 日曜日 07時49分

    そして、しがらみ、拘り、執着を失くした時が寿命だね!

    もしかしたら、天寿まっとうした時が、一番気持ち良いのかもよ!?(笑)

  2. 管理人
    2009年08月31日 月曜日 08時52分

    アクトさん

    選挙速報見ていてコメント遅れてしまいました。

    >もしかしたら、天寿まっとうした時が、一番気持ち良いのかもよ!?

    ぽっくり逝きたいもんです。苦しみながら死にたくはないなあ。

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