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アカの他人が見たらどう思うだろう 書評:悪の読書術

なかなか挑発的なタイトルである。と言っても宗教やオカルトとはまったく関係ない。本書で言う「悪」とは何か。序章に説明があるので引用しよう。

(悪の読書術 より)

自らの無垢さ、善良さを前提とする甘えを抜け出し、より意識的、戦略的にふるまうためのモラルに他なりません。

いま、・・・って昔は知らないけど、本書にあるような悪を持たない人が多いと思う。そういう人はたぶん、この悪の説明を聞いても理解できないのではないかとも思う。もう少し引用しよう。

(悪の読書術 より)

本は面白ければいいのだ、タメになればいいのだ、とおっしゃるかもしれませんが、それは甘えです。ロークラスの本を面白いと思うことを、恥ずかしいと感じる感性こそが、スタイルのある成熟した大人への第一歩なのです。

さらに言うと・・・、

(悪の読書術 より)

どんなに美しく着飾っていても、その人のバッグからタレント本がのぞいていたら、もうそれだけでおしまいなのです。

ホントはここらへんの1〜2ページをまるまる引用したいくらいなのだが、それはさすがにムリなので、買って読んでください。私なりにまとめると「その本を読むことによって人にどう思われるかを意識しろ。人前で読めない本は家で読め。」ということだ。エロ本は間違いなく、皆こうする。では、それ以外の本は?どんな本でも人前で読んで構わない?

「モラル」というとシチメンドクサイ話になるが「カッコワルイ」となると話がしやすい。同じような議論はいろいろあるだろう。「電車内で化粧をする女性」や「中年男性がスーツ姿でゲームに興じる姿」など。私の中では「未成年の飲酒・喫煙」もこれに当たるが、たぶん少数派だろうと思う。

以前、昼休みに会社で本を読んでいたときのこと。同僚の女性が私のところへ来て用件を告げたあと「何の本読んでるんですか?」と聞いてきた。何も考えずに見せた表紙には「世界ハッカー犯罪白書」と書いてある。

その時の反応が、なんかこうひっかかるものだった。「ふーん」でもないし「へー」でもないし、音的には「はぁーん」かな。納得と相づちが入り交じったようなヤツである。

白状すると「しまった。」と思った。

「世界ハッカー犯罪白書」を読むこと自体が恥ずかしいとはいまでも思わないのだが、明らかに私のイメージに大きな影響を与えたと思ったのである。普段、私はこういう系統の本は読まない。よりによってそんな本を読んでいるところを見られるとは。

私はこれでも一応社内では「PCに強い人」というイメージで通っている。その同僚もPCやインターネットの相談にくることがある。ところが「はぁーん」の後、彼女の中の私のイメージが「PCに強い人」から「PC大好き人間」に変わったと感じたのだ。「人」と「人間」の違いは大きい。わかりにくいか。

こんなことがあったからだろう、本書を読んだ私はまさにヒザをポンッ!とやりたくなった。「世界」「犯罪」「ハッカー」「白書」と四つの単語をくっつけたタイトルは、アカの他人が見たらどう思うだろう。私のことを少なからず知っている彼女にどういう影響を与えたのだろう。彼女は覚えていないかもしれない。一方、私の中では大きな失態として残ることになった。

しかし、書名を聞かれてウソつくのもどうかと思う。やっぱり家で読むしかないか。

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古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

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コメント / トラックバック

  1. しゅう
    2009年08月15日 土曜日 13時51分

    お久しぶりです。
    私もこの本の著者の悪の概念は共感しますよ。
    意識的な偽悪的指向というか。
    管理人さんが思うよりはずっと一般的な観念じゃないでしょうか?現在でも。
    …あるいは…私が相当風変わりか…

    私は持ち歩く本もそうですが、
    本棚には相当気に入った本しか並べたくないという嗜好。
    フツーの本なんか捨ててしまいたい。

    「君の見るもの読むものすべてが君という人格だ」というわけです。

  2. 管理人
    2009年08月15日 土曜日 20時15分

    しゅうさん

    >管理人さんが思うよりはずっと一般的な観念じゃないでしょうか?

    そうなんですかねー。「自らの無垢さ、善良さを前提とする甘え」を認識できるのは少ないと思うなあ。たぶんしゅうさんは少数派だと思うよ。

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