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なんで信じてしまうのか 書評:偽書「東日流外三郡誌」事件

青森県五所川原市で発見された東日流外三郡誌東日流外三郡誌 を追い続けた新聞記者の顛末記。東日流外三郡誌についてはWikipediaを読んで欲しい。東日流外三郡誌が本物か偽物かは事実上決着がついている。偽書である。

偽書に関する本を読んでいると毎回同じことを考えてしまう。「なぜホンモノと信じることができるのか」である。まあ、最初はいい。素人にはよくわからないことだってあるし。しかし、ホンモノだと信じていても「ニセモノだ!」という人が出てくれば、少しくらいはニセモノかもしれないと疑ったりするのではないかと思うのだ。

・・・疑わないんでしょうね。これが不思議。

私はどちらかと言えば科学を信じる方なので、余計とそう思うのだろう。科学的矛盾はやはり無視する訳にはいかない。ただ、通信手段が発達したいまの世の中だから多様な意見も聞けるが、電話もないような時代にそれっぽいモノが出てくればコロッと騙されるだろうし、そうして出来上がった歴史もあるのではないかと思う。

擁護派(本書では偽書ではないと主張する人たちをこう呼んでいる)の反論を見ていると病的なものを感じる。引っ込みがつかないとかそういうレベルではなくて、東日流外三郡誌がホンモノだと信じているというよりは、自分の言っていることを信じているように見える。こういう人たちを相手にするとひたすら疲れる。読んでるだけで疲れる。

本書では東日流外三郡誌の真偽の他にも、なぜそうなってしまったのか、他の偽書も含めて世の偽書をホンモノと考えている人の共通点と思考回路、本来何らかの行動を起こすべき人たち(学会とかね)が動かないのはなぜか、など様々な角度から考察している。

ただ「東北人のコンプレックスが、偽書を信じてしまう原因の一つうんぬん」というのはどうかなあ。ホンモノだと思っている人はどこか特殊な人だろうから、そういうのを東北人全体の気質と結びつけるのは無理があるのではないかと思う。東北人のほとんどだってホンモノだとは思っていないでしょ。

いずれにせよ、本にまつわるノンフィクションとしてはかなりおもしろい。

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コメント / トラックバック

  1. マリオ
    2010年05月18日 火曜日 12時02分

    はじめまして、、ぼくは半分くらいは真実ではないかと思っていますが、、 東日流外三郡誌を書いた和田喜八郎家から50mくらいのところに高校まで住んでおりました。中学生のころまでネブタの作り方など教えてもらい、非常に器用な方だと記憶しております。

    中央の歴史のことは詳しくわかりませんが、津軽、特にぼくの村に関しては非常に面白い情報がいっぱいありますね。津軽地方の子守唄、なぜ山からモコ(蒙古)がくるのか、、自宅の近くに「岩崎」という地名があります。なぜ岩崎なのか、、鎌倉時代あたりまで内海になっていたんですね。またぼくの村の名前「飯詰」、同じ名前が秋田県にもあります。この二つの村の関係とか、、また近くに「天内」という南朝系公家の名字の家族が住んでいます。今は使われていない古い津軽弁、「どす」(らい病)、、数十年前に亡くなった母の父が「なぜこんな古い言葉を知っているのか」と言われ、「東日流外三郡誌に書いてあった」と答えるとびっくりしておりましたね。ほんの一部ですが、どこまで真実でどこまで和田氏の創作なのかわかりませんが、物語として読む分には非常に面白いです。

  2. 管理人
    2010年05月18日 火曜日 23時37分

    マリオさん、はじめまして。

    偽書であっても内容がまったくのデタラメだと誰も信じないだろうし、ところどころに現代人も納得できるような事実が含まれているとは思いますよ。つまるところ、本にある著者名が「和田喜八郎」だったらなんの問題もなかったと思います。いまは、関係した皆が同じ思いなのではないかと思います。「なんで、こうなっちゃんたんだろうね」って。

    「読み物としておもしろい」というところでとめておければなあ。

    今後とも宜しくお願いします。

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