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父からもらった本 書評:文明の構造と変動

先日、Web2.0マーケティングフェアというのに行って来た。一番の収穫は東京国際ブックフェアの無料招待券が配られていたことだった。ごめんなさい。

さて、本書は私にとって非常に大切な本である。ハッキリと「父からもらった」と言える(いまのところ)唯一の本だからだ。部屋の片付けをしていたときに、父はやり場に困ったこの本を「読んでみろ」と私に手渡したのである。

何年も前にもらったのだが読まずにいて、4月の中旬に両親が埼玉に遊びに来たときに「この本を読んだ」の一言が言いたくて読み始めたのだが・・・、長い。3月17日に読み始めて、読み終えたのが4月11日である。それもそのはず、50字18行430頁。一頁が原稿用紙約2枚である。今時の本と違って字も小さく、行間が詰まっている。

かなり短く表現すると、本書はアーノルド・J・トインビーアーノルド・J・トインビー という歴史学者が「歴史の研究」という著書でまとめあげた文明の発展論を補完するような内容だ。トインビーは「人類の歴史は従来のような古代・中世・近代のような年代的単位ではなく文明単位で考察する」という視点から、ついに「文明は生まれてから滅びるまで同じプロセスをたどる」という考えへ到達する。

私の感想は「帰納法帰納法 の限界を感じる」である。

どんなに論理的に組み立てようとも、数千年単位の文明を40弱比較したところで(仮にそれが過去の全ての文明を網羅していたとしても)説得力を感じなかった。加えてこれらの理論は「文明の終わり」の定義がはっきりとしていないように思われる。終わりの定義がはっきりしないものの一生を論じることについては書く気にもならないので割愛する。本書で読む限り、トインビーの文明論は反対するほど外れてはいないと思うが、「過去の分類」以上を目指したがために尻切れトンボになっているように思える。

文明の構造と変動

・・・・・本書には何カ所も父の線が引いてあった。私は付箋を貼ってみたが、箇所が違う。もちろん同じところもあるにはあるが、振り返ってみると全般的に質が違うように思う。父は20代でこの本を読み「考え方が変わった」と言っていた。しかし私と同じ30代後半で読んだら考え方は変わらなかったし、人生が違っていたのではないかと思えるようなところがあって、それがセツナイ。

意外と親の人生というものを子供は知らないのではないかと思う。私もいままで、聞いて驚いたことがいくつかある。ま、世間的にも驚かれるほど派手な話ではないけれど、最も身近な人の話だけに驚いたものだ。例えば「父は本当は5人兄弟だったけど、成人するまで残ったのは2人だけ」とかね。

親に人生を語ってくれと言ってもなかなか語らないだろうと思う。いくら子供にだって聞かれても言いたくないこともあるだろう。それでいいと思うが、せめて何かを遺して欲しいとも思うのだ。

子は誰しも自分のルーツとして意識のどこかに親を安置するときがくるのではないかと思う。私は本書を読んで、本の内容にはさして感銘を受けなかった。しかし、傍線から父の考えていたことにいくらか触れることができたし、いまの自分と比較することもできた。遺すものが本であるというのはすごく良いことのように思える。

この本はいつか、このまま、私の娘に与えることにした。

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コメント / トラックバック

  1. アクト
    2009年05月20日 水曜日 23時11分

    いい話だな~。

    オレも、子供たちに何かを残してやれるだろうか・・・?(笑)

  2. 管理人
    2009年05月21日 木曜日 22時26分

    アクトさん

    私の父はエライ複雑な本だったけど、もっと読みやすいものでいいのではないでしょうか。すごく感動した本とか、影響を受けた本ならなんでもいいと思うな。アクトさんならスコアとかでもいいんじゃない?

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