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人事の不思議 書評:平凡社における失敗の研究

今日はひな祭りですね。家内が「ひなまつり」の歌の歌詞を4番まで知っていて、驚きそして尊敬した。一方私は1番から4番までつぎはぎして1番になっているようだ。

さて、帯には「元編集局長が明かす”痛恨の書”」とある。本書は1987年初版発行。平凡社平凡社世界大百科事典世界大百科事典 を世に送り出し大成功した出版社である。平凡社新書平凡社新書 は結構好きだ。

失敗の研究という触れ込みだが読んでみれば研究という感じはしない。著者名はペンネームらしくあとがきの最後に小さく「実ハ○○○○」と実名を記している。なんだそれ。本書は途中こういう表記が他にもある。書き出しは匿名にしておきながら、読み進めるとそのうち実名がわかってしまう。こういうのはズルイよ。しかもその名前は著者の対抗である。「アイツは腹に据えかねるから書いてやれ!」そんなふうにしか感じなかった。

これではどこまでが事実でどこまでが感情なのかまったくわからなくなるし、結果として信頼性が低くなると思う。著者は編集局長まで出世しているのだからそれくらいわかりそうなものだが。

いくつかある「こうしたら良いのではないか」という提案も「もっともらしく聞こえるけど、それでうまくいくの?」という感想しか出てこない。信頼性が低い状態ではどんな言葉も響かない。皮肉な話だが、私が本書で参考になったのは失敗ではなく、平凡社が成功した百科事典商売の概要である。これはそれなりにおもしろい。

本書で提示されている失敗の原因は、総合すると会社の風土や空気みたいなものだ。とりわけ人事に関する指摘が多い。世の中の会社全般にそうだろうと思うが、人事は不思議でいっぱいである。

人事はその権限を持っている人にしか改革できない。権限をもたない人間がどうこう言ってみたところでどうにかなるものでもないと思うが、言いたくなるのはわかる。結局、日々社員が接しているうちで問題となるのは人である。コンピューターは文句を言わない。せいぜい就業時間中に寝てしまい、大切なことを忘れるくらいだ。

権限のない社員からみると「なんでコイツをクビにしないんだ?」と思うような人が居残り、やめて欲しくないと思っている人がなんやかやで抜けていくのが一般的な図式と思うが、一方でどんなに優秀な社員が抜けても会社が傾くことはないとも思う。

以前親しかった社長さんに「クビってやりにくいものですか?」って聞いたら「そうだね。」と言っていた。理屈じゃないのだそうだ。

バランスの良い社員の年齢構成は誰かが適宜辞めてくれないと実現できないように思う。しかしそれを公言する経営者はいない。そりゃ、言いにくいよね。法人の寿命が30年と言われるのはここらへんにも理由があるような気がしている。

孤立している社員をみると、なぜそこまで孤立できるのか不思議になる。そんなにイヤなら辞めればいいと思うがやめない。同僚とうまくやるのも仕事のうちではないのだろうか。いや、うまくやらなくても良い。フツーにつき合えばいいのではないだろうか。

人事って不思議だね。それでも会社は回る。

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