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絵本と文字だけの本を繋ぐ本はあるのだろうか 書評:これでいいのか、子どもの本!!

著者がこの本を出版しようと思った理由があとがきにある。

私の愛してやまない児童図書の低迷傾向を、自分なりに検証してみようと、酔狂にも考え始めたことに由来する。(これでいいのか、子どもの本!! より)

そうして著者は有志とともに季刊「ぱろる」を創刊する。これらの活動を通して見えて来たことをまとめたものなのだそうだ。この書名は「ぱろる」の創刊準備号のタイトルを流用したとのこと。

しかし、私は本書に児童図書の低迷傾向の検証があるとは思えなかった。

第一部がかろうじて児童図書に対する問題提起であるが、低迷傾向の検証とは言えないと思う。第二部は対談を転載したものでどれもテーマは児童文学の低迷傾向とは直接関係ない。第三部は唯一の書き下ろしであるが、ここは著者がいまのスタイルになったルーツと言えるものを書き記している。全体を通して著者の絵本に対する思いは十分にわかるし、それ自体は私も正直賛成できるし、この思いを続けてほしいと願う。しかし、書名はもっと内容に即したものに変えてほしい。私はこういう書名のつけ方こそが書籍全般の低迷の一因と考えている。

なんの根拠もなくて恐縮ではあるが、私は児童図書が低迷しているという実感は全くなくて、書籍全般の低迷の一端という程度と思っているのだが、実際のところどうなんだろうか。やっぱり売れないんですかね。

著者も指摘しているが、児童図書は一般書籍と購入の過程が少し異なる。親が見て好ましいと思ったものが売れるため、児童が欲している本と必ずしも一致しないということだ。そこには親の考え方が強く影響する。言い方は悪いが、売るために親にどこか媚びてしまう可能性が高い。

ここ1年くらい絵本を見て来て私自身感じるのだが、いまある絵本を娘に提供し続けても本が好きな子供に育つかどうかわからなくなってきた。まだまとまっていなくて漠然としているのだが、それは「次へ繋がらない」という不安のような気がしている。いまある絵本を与え続けても、娘はある日を境にまったく本に興味を示さなくなるような気がするのだ。

少し前まではその原因は、なんだかんだ言ってもテレビの方が絵が動くし音楽もあるし楽しいから、だと思っていたのだがいまは違うような気がしている。娘が欲している本を提供できないのではないかと思うのだ。私というフィルターが邪魔をするのかもしれないし、あるいはもともとそういう本がないのかもしれない。

絵本と文字だけの本を繋ぐ本はあるのだろうか。この連結を子供の側に要求してしまうと本好きが育つ可能性は極端に低くなるように思う。

いつもの「考え過ぎ」だろうか・・・。

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古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

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コメント / トラックバック

  1. 五月
    2008年10月08日 水曜日 05時46分

    絵本と文字だけの本を繋ぐ本といえば…マンガですかね!?

    いえいえ、うちのはすんなり繋がりそうなんですけどねぇ…
    ただ、図書館行くとき、次女を連れてって自分で選ばせるときと、
    置いてって親がテキトウに選んでくるときがあるんですが、
    本人に選ばせると、つまらないものばかり選んでくるんで…。
    やっぱり本は面白いモノである、という擦り込みは大事だと思います。
    交互に選ぶようになってるいまのやり方はたまたまですが、けっこういいかも…。

  2. 管理人
    2008年10月08日 水曜日 22時33分

    五月さん

    そう、マンガは確かに選択肢としてあるとは思うのですが、その後マンガから戻って来てくれるような気がしないのです。絵本と普通の本の間で「子供がおもしろいと思う本」がポイントですね。親の考え方に合わせた内容の本だけでは子供が本好きになれるかどうか。

  3. 黒猫屋
    2008年10月09日 木曜日 22時08分

    細かい話は、機会を見て飲みながらお話ししたいな、と思います。
    単に一緒に飲みたいな、という意味も含めて。
    文字ベースでは書ききれないし、たぶん飲みながらでも話しきれないでしょうけれど。

    絵本とテレビやそれをDVDで録画したもの、競合するメディアですが、親を含め人が関与するという意味で大きな違いがあります。
    見せっぱなしとインタラクティブになり得る、という部分で。

    これからしばらく、ワタシは少し忙しくなくなる時期なので、よかったら飲みも含めて語り合いましょう。
    子供のこととかも。

    話を大きくするにはアップルウェーブ他、細いですがコネクションもありますし。

  4. 五月
    2008年10月10日 金曜日 00時44分

    親が見て好ましいと思った本、親の考え方に合わせた内容の本、という場合、なにかためになるとか感動するとか、そういったイヤらしさを感じるのですが、そんなんじゃダメでしょうね。
    とりあえずうちらが選ぶ絵本の基準は、自分が見て面白そうと思ったもの、であります。
    じっさい図書館で選んでいると、そういったイヤらしさを感じる絵本がけっこう多くて、げんなりします。ま、うちも、はみがきしよう、とか、おやすみなさい、とか、そういう生活に役に立ちそうな絵本は大いに利用してますが。

  5. 管理人
    2008年10月10日 金曜日 21時46分

    黒猫屋さん

    >絵本とテレビやそれをDVDで録画したもの、競合するメディアですが、親を含め人が関与するという意味で大きな違いがあります。

    私は娘に本好きになって欲しいと思っていますが、その私の関与が娘を本から遠ざけることになったら本末転倒です。それだけは避けたい。

    五月さん

    >なにかためになるとか感動するとか、そういったイヤらしさを感じるのですが、そんなんじゃダメでしょうね。

    実はそういう本で一冊、娘のお気に入りがありまして・・・。「罪を憎んで人を憎まず」がそのまま書いてあるような本です。この考え方が悪いとはいいませんが、子供が誤用しそうで心配です。かと言って、まだ内容を理解していない(と思われる)時期から取り上げるのもねえ。

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