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薄汚れた紙切れのおかげで世の中の何割かの人間は楽しい空想に耽ることができる 書評:銃とチョコレート

ライフワークというかなんというか、私は「チョコレート」が書名に入っている本を読むことにしているので手に取ってみたのだが・・・、装丁の豪華なこと!講談社ミステリーランド講談社ミステリーランド は皆こうらしい。

まず函が付いているのだが、円形の型抜きがある。しかも函なのに3色刷である。本体は表紙は4色刷(カラー印刷)でPP加工、背の部分がクロス貼、さらに金の箔押しが三方にある。普通なら箔押しは型代ケチってせいぜい表と背の二方だけだろう。開いてみると本文は角丸加工、本扉はトレーシングペーパーで中にある数カ所の見開きの挿絵は2色刷。さすが天下の講談社、やるときは徹底してる。

全巻書き下ろし書き下ろし で、販売を「配本」と称し本書はその第10回配本にあたる。著者は乙一乙一 、挿絵は平田秀一である。

ある日主人公の少年リンツが父親に古い聖書を買ってもらう。その聖書には地図が挟んであった・・・。世の中は大泥棒ゴディバと名探偵ロイズの対決が注目を浴びているのだが、ふとしたことからリンツは地図に描かれている絵がゴディバに盗まれた金貨であると確信する。リンツはロイズとともにゴディバを追うことにするのだが・・・。

ミステリーランドシリーズはもともと大人でも子供でも楽しめる本を目指しているのだそうだ。大人の私にはすごくおもしろかった。以前読んだ「チョコレート・アンダーグラウンド」は大人には微妙になじまない感じがするのだが、本書はそんなことはない。全編に渡り、友情、裏切り、家族愛、暴力、謎解きがまんべんなくちりばめられている。

宝の地図、憧れるなあ。

宝の地図はよくよく考えるとその存在意義がわからない。そもそも自分で隠した場所の地図を用意しなくてはならない理由はないような気がする。世間にお披露目しなくてはお宝は無価値だから隠す理由はないように思うし、仮に見つけてほしくないなら地図は描かなければいい。世界には専業のトレジャーハンタートレジャーハンター がいるが、彼らは別に地図をもとに探しているわけではないだろう。しかし、この薄汚れた紙切れのおかげで世の中の何割かの人間は楽しい空想に耽ることができるのだ。

遺書を地図にしてみたらどうだろう。

家族は大騒ぎするのではないだろうか、いわゆる「父の埋蔵金」である。「そんなたいしたモノがはいっているわけがないよね、ハハハハ」と言いつつも「万が一の可能性」を信じることだろう。地図をたどって苦労の末に見つけた宝の箱を開けるとそこには・・・「My雑巾。コレで私の墓を磨いてくれ!」ってオヤジギャグであっけなく幕を閉じる。

間違いなく墓は壊されるな。

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古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

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コメント / トラックバック

  1. ゆう
    2008年10月03日 金曜日 18時45分

    このシリーズの装本は祖父江さんですよね(たしか)。
    見かけたらつい手に取ってしまってますよ!
    祖父江さんは、奇抜な装丁が注目されがちですけど、
    こういった物も得意とされるのですよね。
    洋菓子の良いにおいがしそうで大好きです。

    好きなシリーズだったのでついコメントしてしまいました。

    それと間違いなく墓は壊されると思います(笑)

  2. 管理人
    2008年10月04日 土曜日 10時06分

    ゆうさん

    >このシリーズの装本は祖父江さんですよね(たしか)。

    そうです、祖父江さんです。この本の奥付には「シリーズ造本設計」と「装丁」が別に記載されています。こういう風にそれぞれがある範囲を担当して、それが全体として成功している、まさにコラボレーションですね。

    >それと間違いなく墓は壊されると思います(笑)

    やっぱり。しかし、ますます実行したくなってきました。

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