古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト marginalia.jp
古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト

「目的地まであと○○km」を見て所用時間を計算するタイプならオススメ 書評:宇宙衛生博覧会

考えてみるといままでSFって読んだことがなかった。もともとSFは好きだし映画は好んで見ていたのだが不思議なものである。以前読んだ「売文生活」という本に筒井康隆筒井康隆 のことがいくらか書いてあって、先日古本屋で見つけたので買ってみた。

いやー、おもしろいですね。ところどころ思わず笑ってしまうし、シュールな描写に引いてしまったりと、私の中にある様々な感覚を一気に引きずり出された感じがした。「引く」という感覚を肯定的に受け止めることができたのは初めてではないかと思う。なんかこう新しい読書の世界に一歩踏み込んだ感じがする。

SFはもちろん「サイエンス・フィクションサイエンス・フィクション 」の略で、言ってみれば科学的な作り話である。「科学的な」の一言ですぐに踵を返す人もいるかもしれないが、書く側にはある程度の科学的知識は必要であっても読む側に科学的知識は必要ない。携帯電話を使うのに高度な知識はいらないのと同じである。高度な知識をもった人が、誰にでもわかりやすいよう工夫を凝らしているのだ。

本書について言えば、科学的知識よりは文学知識を持っていた方がおもしろいとさえ言える。一話目のタイトルは「蟹甲癬(かにこうせん)」である。ある星に移住した地球人がその星の蟹(みたいなもの)を食べていたらわけのわからない皮膚病にかかってしまったという話である。いま密かに流行っていると言われている「蟹工船蟹工船 」をモジっているのだと思うし、二話「こぶ天才」に関しては「ノートルダム・ド・パリノートルダム・ド・パリ 」というのを知っているともっとおもしろくなるだろう。

ただ、描写がかなり不気味なので食事中には薦められないし(そんなヤツいないか)、「蟹甲癬」を読んだらしばらくはカニを食べたくなくなるかもしれない。また、言葉遣いとして理系のそれが苦手という人にはムリかもしれない。どうしたってそういう言葉が出やすいのは事実である。

私の話し方も理系だと思うが、理系の話し方というのは一種独特のようで苦手な人もいるようだ。なんかこうシチメンドクサイ言い方なんでしょうね。以前、友人のIから聞いたのだが、Iの妹さんが「理系のヤツって”目的地まであと何キロ”って標識がでると、必ず”あと何時間くらいだな”って言うんだよね。アレはイライラする。」と言うのだそうだ。いやー、わかるなあ、私も必ず計算している。もしあなたが私と同様、「目的地まであと○○km」を見て所用時間を計算するタイプなら本書は絶対にオススメできる。

独特の装丁は見ればすぐにそれとわかる横尾忠則横尾忠則 である。これがまた説明しにくいのだが、見るとなぜか雰囲気がよく出ているような気がする。

marginalia?

古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

管理人のプロフィール

ご意見など

お名前
メールアドレス(公開されません)
ウェブサイト

トラックバックURL:

このページの先頭へ
古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト marginalia.jp
古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト
読書占い
Copyrights © 2008-2017 marginalia.jp all rights reserved.