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フォッフォッフォッ 書評:ぼくのマンガ人生

私はいま無性に手塚治虫手塚治虫 のマンガが読みたい。なかでも「アドルフに告ぐアドルフに告ぐ 」がおもしろそうだ。

本書の最後には「ゴッドファーザーの息子」という手塚の自伝のような短編漫画も掲載されている。会社でソレを読んでいたら同僚に「管理人さんが漫画読むなんてめずらしいッスネ」と言われた。私はそれほどマンガは読まないが好きである。蔵書は(というのかどうかはわからないが、それらしいのは)「三国志」「MASTERキートンMASTERキートン 」だ。

もともと浦沢直樹浦沢直樹 が好きで「パイナップル・アーミー」とか「YAWARA!」を読んでいた。いっとき「YAWARA!」は全巻もっていたのだが、いつのころからか現実の世界に「ヤワラちゃん」が現れて、ショックのあまり私の「YAWARA!」ちゃんはお星様、というか、いくばくかのお金になった。ったく、誰だよ「ヤワラちゃん」って最初に呼んだヤツは。

実は本書を読み終えた後「なんか、まとまりのない文章だな」と思った。誰かに語りかけているようなのだが、章ごとに相手が違う。「手塚治虫って文章はあまり得意ではないのかな?」と思ったのだが、あとがきに理由が書いてあった。本書は手塚の晩年の講演テープをまとめたものなのだそうだ。ふと見ればジャケットの袖にも「不滅のマンガ家が遺した講演記録を編集」と書いてある。まとまりがなくて当然だ。当然だが、それなら「手塚治虫 著」ってのはマズイのでは?特に「チョ」が。

本書は手塚の思いがすごく伝わってくるのだが、それをいっそう引き立てるのが手塚の友人・家族の証言である。とかくこういった類いの本は偉人の武勇伝や美談、主義主張に終始しがちであるが、関係者の証言は手塚の等身大の姿を想像させる。講演ゆえの語りかける口調と等身大の手塚像は、彼の主張をいっそう身近に感じさせる。

手塚は自分の生涯のテーマは「生命の尊厳」だと言う。鉄腕アトム鉄腕アトム だってその一環で、行き過ぎた科学技術の進歩は人間性にマイナスの影響を及ぼすと考えているようだ。鉄腕アトムはともすればまったく逆に受け止められていて迷惑しているとも言っている。キャラクターが一人歩きしてしまうとこういったことが必ず起こり、内に秘められたテーマが霞んでしまうのは誰しも認めるところだと思う。

ウルトラセブンウルトラセブン だってストーリーのテーマは結構重いものが多かったと聞いている。ところがセブンに憧れる子供はそんなテーマまで理解できない。vo¥ovバルタン星人バルタン星人 )の地球来襲だってその理由を聞けば人ごとではないのだが、子供は「フォッフォッフォッ」しか覚えていないのだ。

目の前にある作品から、その作者のテーマまで踏み込むには読む側にもスキルが要求される。私に言わせれば科学技術の進歩もこれと同じである。未熟な使用者から道具をとりあげるのか、ケガをしながらでも使わせてみるのか、生きている人間は常にこの選択に迫られる。月並みな表現だが「考える」しか解決方法らしきものはない、それが人間の宿命ではないだろうか。

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古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

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コメント / トラックバック

  1. 晋也
    2008年09月11日 木曜日 00時50分

    アドルフに告ぐ、貸して差し上げます★

  2. 管理人
    2008年09月12日 金曜日 00時09分

    晋也さん

    いま読んでいます、おもしろすぎて困っています。出張の前日なのに・・・。

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