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悩みの種は未払いの回収だった 書評:あったとさ

古本屋の主人(いまはどうなのかな?)にして直木賞作家の出久根達郎、なんとうらやましい人生だろう。生まれかわったら出久根のようになるか、金持ちの家に生まれたい。「どっちかにせい!」と言われれば金持ちにする。

本書は直木賞受賞後の第一作だそうだ。以前「秘画 御書物同心日記」を読んだときもそう思ったが、やはり読みやすい。実は「秘画」を読んでから出久根の作品に味をしめ古本屋で必ずチェックするようになった。出久根の作品には古本を題材にしたものが多いからだ。本ブログでも「出久根達郎」のタグをつくることにした。

本書にはオール讀物に発表された小説が6話収録されているが、この中に「冬至の旅」というのがある。若い女性が母の代理で初対面の男と仕事上の小旅行をする話だ。この話には、いわゆる古本屋の「焦げ付き回収」を生業にしている男が登場する。

ふと私も数年前営業で外回りをしていたことを思い出した。やはり悩みの種はこの回収である。もうホント、イヤでイヤでしょうがなかった。

もともと自分で発注したものなのにその代金を支払わない。だから月に一度催促に行く。支払わない月が続くうちに、いつのまにかこちらがワルモノになっているのだ。言い訳は決まって「払うつもりはある。だからシツコクするな。」こっちだって行きたくないのだから月一回以上行かないのにこの言い草である。こういう輩に共通しているのは絶対に「すみません」と言わないところだ。

ひどいのなんか「もう金がない、数千万単位の借金がある。食べるために畑仕事もしている。手持ちはコレだけだ。」とポケットから小銭を出してチャラチャラ音を立てる。家族経営のところだと支払いが滞るくらいだから家庭がおかしくなるのも早くて、いつしか家族全員に邪険にされる。こんなときは「悪いのはオマエの亭主(あるいは父親)だろうが!」と心の中で怒鳴る。地方都市の会社の営業としては自社の悪い噂を立てられても困るのであまり口汚く言う訳にいかないのだ。結局しつこく行くしかないのだが、月末のこの小一時間はホント最悪だ。

営業に配属になっていろいろ教えてもらったが回収だけは誰も教えてくれなかった・・・、とグチりたくなる、いや、グチっていた。いま私が新しい営業を育てるならまっさきにコレを教える。と言っても回収の方法ではなく、そういう輩と取引をしない方法だけど。

・・・ごめん、本書はこういう生臭い話ではない。もっと人間味あふれる日常が描かれていて、その隙間からドキッとする非日常的な展開がにじみ出てくる。本は話題のひとつであってそれ以上に出しゃばることがない。まっ、それだけに本好きには少し物足りないかもしれない。

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古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

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コメント / トラックバック

  1. アクトヘアースタジオ
    2008年09月10日 水曜日 08時50分

    大変なんだね~。

    人間の裏側を見るようだね~。(笑)

  2. 管理人
    2008年09月10日 水曜日 22時22分

    アクトヘアースタジオさん

    >大変なんだね~。

    その後ベテランにケツ拭いてもらいました。しょせん私はその程度です。orz

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