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取材にしっかりと裏打ちされたノンフィクション 書評:だれが「本」を殺すのか

読むのにだいぶかかってしまった。しかしこの本は絶対にオススメだ。本に携わる人は必読と言える。一方でこの本は2001年発行である。すでに7年が経過していることを念頭に置く必要がある。

この7年の間に、本書で触れていることへの動きが現実になったこともある。例えばブックオフが「21世紀のコミック作家の著作権を考える会」「日本文芸家協会」などの著作者団体に対して1億円の支払いを申し出たのがつい先日。本書にはすでにこのことに対する言及がある。不祥事でCEOを引責辞任した坂本孝坂本孝 が、当時、著者の取材に対し「売り上げの何パーセントかを拠出して著作権保護団体などに寄付するというプランがある」と言っている。

7年の間には本にまつわる業界でも倒産や廃業が相次ぎ、書店数は激減、書籍・雑誌の売り上げはマイナス成長と様々なことがおこっているが、つまるところ7年たってもあまり現状が変わっておらず、当時の不安が現実になっていることが多々ある。それゆえに、いまだからこそ読んでおもしろいとも言える。7年前に買って読んだ方々、もしお手元にあるなら、いま一度引っ張り出して読んでみてはどうだろうか。

この本のおもしろさに取材の豊富さがある。それも同じ人物に複数回取材をしている。著者はその理由を、原稿を書いている間に状況が変化しているからだ、と書いている。複数回の取材に現れる、取材相手の変化も興味深い。

本書は本の氷河期の原因を従来の取次悪玉論や再販制度だけに終わらせない。著者はエピローグで次のように述べている。

(だれが「本」を殺すのか より)

私はこれを「本」をめぐる文化状況論として書いたわけではない。「本」の世界にいま起きている事件ルポルタージュとしてこれを書いた。いま「本」を殺そうとしているのは誰なのか。出版社なのか取次なのか。それとも書店なのか図書館なのか書評家たちなのか。いや、ひょっとすると私を含めた著者たちなのかもしれないし、意外にも読者なのかもしれない。

人それぞれ考えて出てくる結論は違うであろう。私は以前読んだ米長邦雄米長邦雄 の「不運のすすめ」を思い出した。米長は普及こそが発展の原動力になるとして活動している。本にも同じことが言えるのではないだろうか。本の普及がもっとも手っ取り早い解決策に思えてならない。

この本にはいろいろ考えさせられた。何回かに分けてブログに記そうと思う。

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