せわしない本だ。タイトルを考えると内容としておかしいわけでも無いのだが、枝葉が多すぎてともすれば主題を忘れそうになる。話があっちへこっちへと凄まじい速度で移動する。テレビにはテロップがあって常に小見出しを表示し現在位置を確認することができるが、本ではその役目を柱に持たせる。柱をこれほど便利に感じた本はない。
著者が人に読書をすすめるようになるにはなにかしらの経験がある。だからその経験を書くのはごくごく自然なことだ。けれど、やっぱりせわしない。いろいろと考えさせられるところも少なからずあるし、思わず笑ってしまうところもある。月並みな表現だが「よくできたテレビ番組」という感じがする。
例えば著者なりの結論があって、そこに至るまでの経過がある。その経過と結論には破綻はなく、確かにそうだと納得させられる。しかし、経過と結論が直結しすぎるように思う。「よくできたテレビ番組」と言う理由がここにある。「こうだから、こうであって、こうなのだ。」もう、読者にはそれを自分で考えるヒマがない。
鈴木は問題から答えまですべてを用意してしまうのが、テレビの良さでもあり悪さでもあるとしている。しかし、たとえ本であってもテレビのようなものが可能であることを鈴木は本書によって証明しているように思う。
根っからのテレビ人なのだ。
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