古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト marginalia.jp
古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト

子供に聞かれると困ること 書評:ちいさなちいさな王様

この本は以前読んだ「砂漠でみつけた一冊の絵本」で知った。モノクロ写真での紹介ながら絵の綺麗な本だなあと思っていたのだが、先日ブックオフで見つけた。思った以上に絵が美しい。ただ、絵本ではなかった。ちゃんとした小説だし、大人でなくてはわからないユーモアもある。

挿絵はミヒャエル・ゾーバ。「アメリアメリ 」という映画の美術を担当したりと、活動の幅は画家を超えている。挿絵がホントに良い。正直言うと私はいま、彼が挿絵を手がけた本を集めてみようかと思っているくらいだ。

あるサラリーマンのところに突然ちいさな王様がやってきた。王様の国では、人は生まれた時が一番体が大きく、いろんなことができて、働かなくてはならない。その代り歳をとるにつれ物事を忘れるようになり、働かなくても良くなるが、体は小さくなっていく。そして最後は見えないくらい小さくなって、いなくなってしまうのだそうだ。王様はそれが普通だと言う。

主人公はいきなり王様にキビシイ質問をする。

「だけど、はじめにいちばん大きいっていうなら、どうやって生まれるんだい?」

(そっ、そうですよね。)

王様曰く「おれはだな、ある朝、ふいにベッドで目覚めたのだ。」

「じゃあ、どうして、ベッドの中にいたんだい?」

(おお、主人公へ座布団一枚!)

王様はすこしたじろいだ。(原文ママ)

「・・・・たしか、つまり、王様と王女がだ、えーっと、どうするんだったけな?忘れてしまったなあ。」

子供に聞かれると困ること、というのは山ほどある。私はいまから子育ての先達にときどきケーススタディを行っている。テレビドラマの「チュー」はどうやって説明しましょうかね。同僚のSは娘さんに「なんであんなことしてるの?」と聞かれて「なんでだろうねー?」と答えたとか。王様を参考にするなら「気がついたらチューしてた。」だろうか。

一方、こういうことを聞かなくなったらすでに理解しているということだろう。父親としては寂しく思うのだろうか。いまのうちから娘に殺虫剤噴いとかないとね。シューッ!

王様と王女がすることは本書の後半に書いてある。二人は「抱きしめ合ってベランダから飛び降りる」のだそうだ。このシーンにはミヒャエル・ゾーバの挿絵がある。そうしてある奇跡が起こり、新しい命を授かるのだ。なかなかロマンチックです、続きは本書でどうぞ。

marginalia?

古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

管理人のプロフィール

コメント / トラックバック

  1. 五月
    2008年08月22日 金曜日 01時43分

    砂漠…。似たようなストーリーをどこかで聞いたなぁ…。
    アラビア語のお姫様の生涯の本を入手して、自己流に翻訳しながら読んで、これは不思議で面白い、と思っていたら、実はアラビア語は左右を逆に書く。君が最初の頁と思っていたところは、実は最後の頁で、なんの変哲も無い平凡なストーリーだよ、と指摘され、アラビア語を勉強するのはやめてしまった、というお話。<これ自体が翻訳の小話。誰だったかな。

    「アルジャーノンに花束を」も連想してみました。これもストーリー逆回しだよね。<こちらは知的障害〜認知症とか連想する。

    でも、読んでみたいかも。図書館にデータありました。

  2. 管理人
    2008年08月23日 土曜日 00時06分

    五月さん

    「アルジャーノンに花束を」は本屋で見かけるたびに気になるのですが、子供の頃母親にストーリーを聞いて、あまりにかわいそうだ、と感じたせいかまだ読んでいません。でもストーリー逆回しの話なんですか、なんか印象がだいぶ変わってきました。

ご意見など

お名前
メールアドレス(公開されません)
ウェブサイト

トラックバックURL:

このページの先頭へ
古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト marginalia.jp
古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト
読書占い
Copyrights © 2008-2017 marginalia.jp all rights reserved.