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持つべきものは友、ですかね、やっぱり 書評:第三閲覧室

第三閲覧室には大学学長が長い間金と時間を注ぎ込んで蒐集した稀覯本の数々が納められている。年に一度の燻蒸作業中である第三閲覧室で女性が一人死んでいるのが発見された。燻蒸作業中はプロムメチルIIという毒薬を使用するため、通常人が立ち入ることはない。

大学の経営の主導権争いなどが絡まって複雑な人間関係になっている学内での死亡事件は、容疑者も多く捜査はなかなか進まない。大学に出入りする古本屋の主人が長年の友人の無罪を信じて真相を調べ始める。門外不出の稀覯本「陽炎」が燻蒸のために当日に限って第三閲覧室にあった・・・、被害者の父親が実は同じ大学に勤務している・・・、図書館が貸し出した本がすり替えられている・・・。複数の手がかりは平行線だったが、やがて交差し始める。

本書は話のスジが少し弱い。「陽炎」の話はコレ単体ならおもしろい。が、全体から見れば殺人の直接的な理由ではない。それなのに、ここに後半の話の柱が来ているのはどうかと思う。そのせいで、殺人犯が分かっても動機が弱くストーリーの盛り上がりと関連が薄いので「ああ、そう。」で終わってしまう。一方、殺人が主題ではなくあくまで「陽炎」の謎が主題であるとするなら前半は効果が乏しく冗長に感じる。

前述したが、本書では古本屋の主人が古くからの顧客であり友人でもある男性の無実をどうにか証明しようと一つ一つ検証していく。困ったときに味方になってくれる知人がいるってのはいいよな。けど、ヒマ人じゃないと無理か。

例えば私がエスカレーターで手鏡を駆使してしゃがみながら髪の乱れを直していたら逮捕されたとする。知人の誰かがテレビにインタビューぐらいされるかもしれない。

そんな時は「いやー、そんなことをするようなヤツではありません。」くらいは言ってくれるだろうか。そこまで断言してくれなくてもいいから、少しは擁護して欲しいな。

一方、私が言って欲しくない一言は「あまり目立たないヤツでした」系だ。それは憶えてないってことでしょ。憶えていないときはインタビューに答えないでくださいね。どうぞよろしくお願いします。

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古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

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  1. […] 著者は紀田順一郎 、以前読んだ「第三閲覧室」は思ったほどではなかったので今回はおもしろかったらイイナ、くらいで買ったのだが、読後感は代わり映えしなかった。 […]

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