古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト marginalia.jp
古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト

回転寿しでケーキが回って来たような感じ 書評:小さい“つ”が消えた日

学生の頃、友人と二人で話をしていた。

「小さな “っ” だけの名前ってどうかな。”山田っ” とか “佐藤っ”。書きやすいし呼びやすいよね。」
「あー。けど、名字と一緒じゃないと呼べないから不便だろ。」

とても大学生の会話とは思えない。ま、いまでも社会人とは思えない会話ばかりだけど。

アホな大学生二人とはまた違った視点で小さな「っ」のことを考えた日本語を話すドイツ人がいた。彼はそれで小さなお話をこしらえて本にした。

自分自身では音を出せない「っ」は自分の存在意義がわからなくなって五十音村からいなくなってしまった。そうしたら人間の生活から「っ」が全てなくなってしまい、生活がメチャメチャになってしまった。残った文字達は一致団結して、いなくなってしまった「っ」に戻って来てくれるようメッセージを送ることにするのだが・・・。

本書はドイツ人が日本語について書いているのでやはり完成度という点では他の童話に比べると幾分落ちる。決してつまらないということではなく、全体にちぐはぐな印象を受けるのだ。あとがきからも著者の日本語の苦労が伺える。編集者次第ではもっともっといい作品になったように思う。

「っ」がなくなってしまった世界を描くのに、「っ」が無いと意味が異なる日本語がいくつも出てくる。あとがきにもあるが、ココが著者が腐心したところである。けれど具体的なものが「敵(てき)と鉄器(てっき)」「死体(したい)と失態(しったい)」「歌える(うたえる)と訴える(うったえる)」のように、読んでいて楽しいものではない。正直言うと私はかなり引いた。もちろんダメではないのだが、物語が描いている世界観が壊れてしまったように感じたのだ。

回転寿しでケーキが回って来たような、そんな感じ。

marginalia?

古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

管理人のプロフィール

コメント / トラックバック

  1. 晋也
    2008年08月17日 日曜日 02時43分

    僕も毒々しい色のケーキが回ってくるたびに切なくなります●

  2. 管理人
    2008年08月17日 日曜日 10時19分

    晋也さん

    私は、ケーキを出すなら回さないでテーブルメニューで勝負して欲しいと思ってます。あのちぐはぐさが気になる人って少ないのかな。

ご意見など

お名前
メールアドレス(公開されません)
ウェブサイト

トラックバックURL:

このページの先頭へ
古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト marginalia.jp
古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト
読書占い
Copyrights © 2008-2017 marginalia.jp all rights reserved.