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ベストセラーの功罪 書評:ベストセラーだけが本である

帯には「ベストセラーばかりが本屋に並ぶ時代にホントに読みたい本に出会うには?」と書いてあります。違います、そういう本ではありません。

読み終えた後にこの帯を見ると「読みたい本に出会いたいと思って買ったら違っていた、という皮肉な結果になったりしていないだろうか」と心配させられます。そういや古本屋には結構な数が積んであった。

この本は、書店や出版社など、ベストセラーに依存せざるをえなくなっている業界の現状を教えてくれます。そんな業界の状態をちょっと皮肉って「ベストセラーだけが本である」というタイトルにしたのではないかと思う。そんな業界に身を置く著者としては、勇気を出してめいっぱい激しく書いたタイトルに見える。

おもしろいですよ、この本。売れないと困るんだよ、そんな気持ちが見え隠れするこの帯は、本に書かれていることの証明にすら思えます。

目次

  1. ベストセラーは世間である
  2. [90年代篇] なぜこの本が売れたのか
  3. [2000年代篇] なぜこの本が売れたのか
  4. ベストセラーだけが本じゃない

2章、3章はちょっと散漫な感じが否めません。4章の前振りとも思えませんし。

4章「ベストセラーだけが本じゃない」がこの本の本懐でしょう。読んでいるとツラクなります。著者の語り口はソフトなんですが、本の商売ってのは悪い意味で他の業界とは違うんだな、とつくづく感じます。結果としてベストセラーに依存せざるを得ないことを初めとしてその他もろもろ、硬直してしまった業界には共存共栄という未来ではなく、淘汰しか残っていないのかもしれません。

消費者にできることにはどんなことがあるのでしょうか。「もっと本を買い、読む」ですかね。でもそれは長期的には業界の発展になるかも知れませんが、短期的には淘汰を早めるような気がします。以前父が言っていた言葉を思い出します。

「(本とは無関係の職業を指して)世の中には、なくなる職業があるんだよな。」

私には共存共栄への手だてはちょっと思いつかないし、やる気のないところはなくなっても仕方ないという気持ちがあります。ただ、やる気があるのに業界の仕組みのせいでなくなってしまうのはせつない。攻めるにしても守るにしても選択の自由はあっていいのではないでしょうか。

もちろん当の業界だって座して死を待っているわけではないでしょうし、業界自体がなくなることはあり得ない。淘汰は一定の書店数に達したところで止まるでしょう。書店数によって書籍の市場規模も決まるし、出版社や取次の利益も決まってくる。でも、そのとき私の住む町に書店は残っているのでしょうか・・・。

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古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

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