古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト marginalia.jp
古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト

美しい日本語で服を着た王様になりたい 書評:本の枕草子

これ、おもしろい。初版は昭和57年、もとは週刊文春に連載された随筆である。私はたまたまブックオフで見つけたのだが、本当についていたと思う。程度も良く買ったとき以上に読んだ後、うれしくなった。

私はこれまで井上ひさし井上ひさし は、共産党寄りの作家ぐらいにしか思っていなかった。いま、新しい評価が加わった。それは「美しい日本語を書く人物」というものである。おだやかで品のある、それでいてしっかりと内容が伝わる日本語だ。

文章を書く時は同じことでも様々な表現がある。その表現方法に著者の色が出るし想いが込められる。私は井上のそれに「ああ、なんと品のある表現だろう」と内容以外に目が行ってしまうのだ。

人は言葉遣いで損もすれば得もする。私の近くに、腕は立つが言葉遣いがダメなのがいて、つくづく損な人だと思っている。彼は言葉遣いだけでなく、言う内容、タイミング、どれをとってもマズイ。結果的に出てくる言葉は人にやる気をなくさせるのだ。結果その人自身の評価を無用に下げている。

「仕事ができないのに表現ばかり達者でもダメだろう?」と思う人もあろう、それはその通りだ。しかしこの意見は話としては面白いが反論にはなっていない。つまりどちらもダメであることには変わりないからだ。

社会に出れば成果の失敗は結果として分かりやすいが、言葉遣いの失敗は自分では分かりにくいものだと思う。マズい言葉遣いに気が付く人は、きっとその間違いを指摘してはくれないだろう。噂が自分の一人分手前で止まるのと一緒、もう裸の王様である。

ただし、救いもある。パーフェクトでなくても問題ないし、周りにビッグな王様がいれば相対的に自分の裸具合は低減するからだ。自分のことを良く思ってくれる人と悪く思う人の両方がいる程度でいいと思う。

本書は、言葉の美しさだけではなく、内容もおもしろい。笑えるものあり、参考になるものあり、考えさせられるものあり、読書術みたいなものまである。本好きなら楽しめること間違いなし。ぜひ古本屋で探して欲しい。

marginalia?

古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

管理人のプロフィール

ご意見など

お名前
メールアドレス(公開されません)
ウェブサイト

トラックバックURL:

このページの先頭へ
古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト marginalia.jp
古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト
読書占い
Copyrights © 2008-2017 marginalia.jp all rights reserved.