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まだ、始まったばかり 書評:ギャル農業

農業とギャル、目新しい組み合わせと言える。

本書では様々な事業を展開してきたギャル社長(ギャルと社長、これも珍しい組み合わせ)が農業を始めるまでのこと、どうして始めようと思ったのかなどを素直な語り口で書いている。文章は読みやすく、イヤミもなくて好感が持てる。

が、薄い。新書でありながら写真だけのページもかなりあるし、農業と関係ありそうなところはせいぜい100頁ってとこか。無理にページ数を増やしている感じが否めない。

ギャルが水田に立っている姿はかなり異様だろう。水田じゃなくたって、例えば私の勤務先で机に向かっているのを想像すると、それも異様である。でも、数ヶ月もすると慣れて気にならなくなるような気がする。

こうして考えると程度問題でしかない。結局、外人扱いなんだよね、たぶん。同じ日本人なのに、よそ者扱いしてる。

ギャル社長の目指すところ

そんなギャル社長の目指すところは「特に若い人に食や農業に知ってもらうこと」

周囲の批判や好奇の目を糧に、持ち前の実行力でギャル農業を進めていく。ようやくコメの収穫ができそう、そんなところで本書は締めくくられる。

私自身「普及こそが力である(普及は必ずしも絶対数ではない)」と思っているので、若い人が食や農業について知識を深めることは賛成だ。

誤解を恐れずに言えば、現代の情報化社会での生活になじめない人たちは、農業など一次産業をやってみたらどうかと思っている。一次産業は「情報はあくまで情報でしかない」ということを体感できるような気がするからだ。無用な複雑さが無い。

まだ、始まったばかり

さて、本書にあるギャル社長の試みはどうだろう。そもそもの目的が「知ってもらうこと」である以上仕方の無いことなのだろうが、残念ながら(いまのところ)継続という概念は無いように見える。

この継続というのは、ギャル社長が続けるということではなくて、ギャル社長の活動を通して食と農業について考えた人がその後も意識を持ち続けるという意味での継続だ。

たまに日常から離れて何かをやるのは何でも楽しい。

ギャル社長は農業をやると言っても年がら年中農地にいるわけではなくて、その間は地元の人が農地の手入れをしてくれている。ギャル社長の手伝いをしてくれる人だって、いまは(期待が入り交じった)おもしろ半分のような気がしてならない。

心のどこかに漠然と漂う意識をイベントなどを通してあらわにしても、炭酸飲料を振ればプクプクと泡が出ていつかは無くなってしまうように、その意識は続かないように思う。

誤解の無いように付け加えるが、ギャル社長の活動が「すでにダメだ」ということではない。

例えば農業のファッションを変えようとする試みなんかは、意外とイケるような気がしている。どんな手段であろうが、農業をカッコイイと思えるようになれれば、若者の反応もだいぶ変わるのではないかと思う。そしてこれは継続の動機になるような気がする。

今後に期待したい、それにつきる。ただ、その期待が具体的に見えないところがいまの農業のツライところではないかと思う。

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古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

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