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ヴェルレーヌ不在 書評:ヴェルレーヌ詩集殺人事件

大学教授・阿羅悠介は終戦直後に戦地の貧しい農家から一冊の詩集をもらった。それはヴェルレーヌ詩集。

40年以上も過ぎて、阿羅がそのことをエッセイに書いたことから殺人事件が発生し、関係者が次々と殺される。

謎めいた遺書、洞窟内で発見される終戦当時のものと思われる死体、詩集に隠された謎。終戦当時の記憶はあいまいで、当時何があったのか、犯人の動機は何なのかがわからないままに日々が過ぎていく・・・

イマイチ、小説の中に入っていけない。

痛いのが、きっかけとなっている詩集がヴェルレーヌヴェルレーヌ である必然性がないことだ。

途中ヴェルレーヌの詩について登場人物があれこれと思索をめぐらすが、それとて事件の本筋とは無関係。こういうタイトルだと読者がヴェルレーヌに何か関係すると思ってしまうのはしかたないだろうに、それを汲み取ってくれない。

仮に「刑事コロンボ殺人事件」という小説があったとして「コロンボのペーパーバックペーパーバック に挟んであったメモがカギになる」では誰も納得しないでしょ。

解説によると、著者は終戦直後に戦地の農家からアンリ・バルビュスアンリ・バルビュス の「地獄」という詩集をもらったことがあるのだそうだ。

そんな体験はめったにあるものではないだろうし思い入れもあってしかるべきだが、本書では単なるきっかけにしか使っていない。それなのに書名にしてしまっている。

警察の調査に大きな影響を与えるのは阿羅の姪である大学院生の小川由美子。名推理を連発する由美子さん、あなた勘が良すぎだよ。

毎回彼女の推理というよりは思いつきが突破口となるので、

「よくまあそんなこと気がつくな」

となってしまう。警察が自殺か他殺か判断に迷っている最中に、他殺の決定打となる弾丸のありかを思いつくあたりになるとため息が出る。

一人にあれこれとやらせるの自体は悪くないし、名探偵にとって勘の良さは外せない条件の一つだとは思うが、それがカンピューターになってしまうと説得力がない。

ミステリーのポイントは押さえているけど、バランスが悪いように思う。

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