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最後の最後まで謎が残る古書ミステリー 書評:死の蔵書

私はここ数年映画を観に行っていないが、映画ファンである。いままでに見た映画は劇場、ビデオ、DVDを併せて洋画だけでも1,000本は超えている。その中にはおもしろい映画もあったし、どうにもならない映画もあった。ただ、たくさん観ていて困ったことがある。映画を見るときに余計なことを考えるようになった。

残り時間があと何分だからもうヒトヤマくるな、とか、ここから1分はつまらないシーンが続くだろうからトイレ行ってこよう、とか、役者のメジャー度を比較してコイツが犯人だと先読みする、とかね。ようは先読みをして、映画の世界に浸ることがなくなったのだ。

本書を読んでいて同じことをしていることに気がついた。残りの頁数から何かを判断しようとしたり、どうせ登場人物以外から犯人が出てくるわけはない、って感じ。ツマラナイ読み方だなと思う。

ある晩、古書の掘り出し屋の死体が発見される。担当刑事は本を蒐集するクリフだ。クリフは捜査を続けるが、刑事としての一線を越えてしまい、辞職する。そして古書店を始めるのだ(ここだけうらやましい)。しかし、心機一転始めた古書店に雇った利発な女性店員が殺されてしまう。以前の事件との関連性は明白だ。クリフは独自に捜査を開始する。

本の価値の高騰が巻き起こす欲の連鎖は4人の死者を生む。一目惚れした謎多き女性リタも一枚噛んでいるように思えるが、かといって証拠もない。しかし事件は一歩ずつ解決を向かう。すばらしい蔵書を遺して亡くなった老人、欲深いその相続人達、何かを知っていそうなその隣人と様々な人間が交錯する。クリフはついに事実をつきとめ犯人は捕まるのだが、一つだけ謎が残る。その謎はやはりリタがカギだ。古書の並外れた知識とコレクション、そして莫大な財産を持つ聡明な彼女が黒幕なのか・・・、迷うクリフ。そして最後の最後、ホント最後の一行で全ての謎が明らかになる。なるほどー!

私の映画で培った先読みは何の役にも立ちませんでした。

著者ジョン・ダニングジョン・ダニング はもともと作家だったが、出版社とのトラブルで一度は引退している。その復帰第一作が本書だ。その活動停止中何をしていたのかと言うと、なんと本書の舞台でもあるデンバーデンバー で古書店をやっていたのだ(またまたうらやましい)。本書の描写が丁寧である理由はここにある。

真に迫った描写と意外だがありそうな話、それが見事にまとまっている。じゃあなんで評価は3なのよ、って話になる。・・・なんだかんだ言っても私はハッピーエンドが好きなんです。

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古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

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  1. […] 本書は以前本ブログで紹介した「死の蔵書」の続編である。随分前に買ったのだが、まとまった時間が確実にとれるときに読みたくて、あえて積極的に読もうとはしてこなかった。先日 […]

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