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古本屋の客たちを描いたエッセイ集 書評:人さまの迷惑

独特の穏やかな文章を読んでいると、著者・出久根達郎って結構な年齢なのかと思っていたのだが、私の父親とほぼ同じ1944年生まれ。

人って読んだきた本の言葉遣いが出るような気がするので、こういう言葉遣いの本を随分読んできたんだろうな、と思っていたら、著者の心の師匠が井伏鱒二なのだそうだ。

古本屋に丁稚奉公するようになって井伏の作品を読み、感激のあまり書写をするようになり、あげくの果てに自宅まで伺ったことがあると本書の中で書いている。

そこまで好きになれる作家がいるというのはうらやましい。私なら奥田英朗といったところか。けど、書写もしなければファンレターすら書いたことがない。

私はファンだと自認していても接点以上のことをすることがない。

私はデビュー当時からノリピーが大好きだが、お薬の一件でまったく見かけることがなくなってしまった。でも、それが気にならない。白状するとコンサートなんて行ったことないし、写真集もCDも買ったことがないし(レンタルもない)、主演ドラマも観たことがない。テレビで見かけて、

「やっぱりカワイイなー」

と思い出すだけで満足してしまう。

人間、好きな人のことならよく観察もするだろうが、お客となるとどうだろう。

帯の惹句によれば、本書は収録数は169編の書物エッセイという触れ込みだが、その魅力は著者が出会ってきた客だ。読んでいると、古本屋の魅力ってのは客なんだ、と思えてならない。

いい客もいれば、悪い客もいるのにお気楽な感想だ、あるいは、客商売ならなんでもそうだと言う人もあるだろうが、例えばショッピングモールの客だと、1ページにも満たない紙幅では「笑える」「感動する」というくらいが関の山のような気がしてならない。

本書を読んでいると、店主は日々やってくる客をよく観てるな、と思うのだ。登場する客の誰もが、その生活や人生までを匂わせる。

大きな交差点で人とすれ違い様に、

(この人にも家族や友人がいて、帰る家があるんだよな、きっと。もう二度とすれ違うことは無いだろうな。)

なーんて、思うときがある。読んでいる途中、その時の気分を思い出した。

本書は古本屋に集まってくる客たちの何気ない話を、何気ないままに読む側に残していく・・・、そんな「どうということはない、おもしろいエッセイ」が満載だ。

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古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

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