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装丁をもっともっと楽しみたい 書評:装幀列伝

Into The Light

ジャケ買いという買い方がある。おそらくやったことがある人は相当いるだろう。

私もやったことがある。いまも大好きなグロリア・エステファングロリア・エステファン はそれで知った。どうです、この美しいジャケット。忘れもしない、銀座のHMVだった。CDではジャケ買いが比較的起こりやすい。その場で視聴することができない場合が多いからだ。もしかしたらいまは違うのかな。

ところが本となるとそうはいかない。立ち読みができるからだ。美しい装丁装丁 の本を見つける、手に取って感心する。さて、内容は・・・。ここで内容がおもしろくなさそうだと買わない、欲しいと思う勢いが持続しないのだ。

装丁は読者と著者の間を取り持つ重要な役割がある。帯もそうだ。ジャケットを変えたら大ヒットという本もある。いまや本を出すにおいて、装丁はもっとも重要な要素の一つであるが、それゆえに節操のないものが多いのもまた事実だ。売るためにと必死で考えた装丁が好みに合わなくて、せっかくのおもしろい本が手に取られないということもあるだろう。

本書によれば、装丁は以前は編集者が行うことが多かったがいまではデザイナーの仕事が圧倒的に多いそうだ。私も装丁(みたいなこと)をすることがあるが、ほとんどは著者の意向が強力に働いて、思うようなものになったことはない。私が編集をしていないものの方がデザインを出す機会が多かったようにも思う。

本書はタイトルの通り、装丁をしてきた人たちのつながりを軸にした装丁の変遷を扱っている。読んでみると、装丁の文化的流れの新たな切り口を感じる。そういう意味では新鮮なのだが、いかんせん本文がモノクロなので作品そのものの魅力が分かりづらい。

新書新書 としては珍しく巻頭にカラーの口絵が8頁もあって重要な装丁はカラー写真で見ることができるのだが、もっとカラー写真が欲しい。そんなことを新書に望む方がおかしいのは重々承知だが、やはり残念だ。本書のような内容は商業的にヒットするとは思えないので、新書で出してこういった分野の消滅を防ぐのが精一杯なのだろう。

私は米長邦雄米長邦雄 の「普及こそが発展である」という考え方に同意している。最近の新刊出版点数の激増は閉口するが、装丁業界にとっては良い傾向ではないかと思う。印刷技術や製本加工の技術はものすごく発展した。もし、本を買うことがあったら、内容だけでなく、カバーを取ったり紙の色を見たり、加工技術を指で触ったりして、もっともっと装丁を楽しんでいきたい。

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古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

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