ちょっと遠い身内に不幸があって、二日ばかり北海道に行っていました。往復は電車だったのでたくさん本が読めるかと思ったけど、そうでもなかったのがちょっと残念。
閑話休題。
本書は1998年に初版が出ている。1998年
、日本長期信用銀行
が破綻、長野オリンピック
開幕、和歌山毒物カレー事件
、横浜ベイスターズ
が38年ぶりに優勝・・・。当時私は27歳、独身だったがいまよりは貧乏ではなかったと思う。
そんな時代の爆貧菌に犯されてしまった人々の声(投書)をまとめたものだ。爆貧菌とは何か。本書のまえがきにはこうある。
(爆貧菌 全国貧乏人生息報告 より)
爆貧菌とは何か? 伝染もしくは遺伝(!)によって、働いても働いてもカネがない、という貧乏生活に人々を容赦なく陥れ、ひどい場合には、働くよりもビンボー生活無職生活バンザイ! と叫ばせてしまう、という大変タチの悪い菌です。
まっ、貧乏を笑うことができるタクマシイ人々の報告だ。貧乏は正直ツライものだが、本書は思わず笑ってしまう。どこに稼いだカネをどこかにつぎ込んでいるかまでは明かされないが、本書によると売れない役者・芸人が多いようだ。実際のところどうなんでしょうね。
本書を読むと、爆貧菌に犯された人には余計なアイデアが生まれるようである。
生活を改善するために、本人なりの理屈でその場しのぎをやり始める。ごはんをおかずにごはんを食べる、紙を食べる、水場に生えたキノコを食べる(病院直行)、自分で薬を調合して服用する(病院直行)。
どう考えたって「ごはん掛けごはん」は無意味だし、紙は食べるものではないし、水場のキノコが食べれるものだとは思えないし、薬を自分で調合するなんてことはしない。しかし爆貧菌はそうさせてしまうし、それで「満足」という幻覚を誘発するのだ。まったく恐ろしい菌である。
私は学生時代、お金がないときは食費をまっさきに削った。食べることがメンドウクサイと思っている私はそれでも具合が悪くなることはあまりなかった。「欲しがりません買う迄は」とスローガンを掲げ、私なりに努力したものだ。なんかなつかしいな。けど、私のビンボーなんてビンボーのうちには入らない。
爆貧菌に犯された方々はツライ毎日を耐えている。そんな彼らに救いの手を差し伸べる神様のような人がいる。むしろ残酷なのはホントウの神様のような気がする。爆貧菌が世に出て10年、ワーキングプアという言葉が出るような時代になった。爆貧菌の滅亡を祈る。
この本について
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