古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト marginalia.jp
古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト

災害にあったら私は本書を持って逃げる 書評:冒険手帳 火のおこし方から、イカダの組み方まで

冒険。この言葉に惹かれる男性は少なくないだろう。何を隠そう、私もそのうちの一人である。しかも手帳ときたもんだ。かなり訴求力がある。

本書は1972年に主婦と生活社から出版された「冒険手帳」に加筆・修正したもので、著者は谷口尚紀、光文社の雑誌「少年」の元編集長だ。

冒険とはなんだろう。本書はまえがきでこの最も大切な問いに答えている。

現代の文明がピンチにおちいっているのは、一見「頭」の勝利があらゆる利便を提供しているようにみえて、そのじつひとりひとりの人間が自分の頭を使うことをまったくしなくなっているからだ。この本で「冒険」とよぶのは、じつは「人間らしさ」をとりもどすことなのである。(冒険手帳 まえがき より)

生活のあらゆる分野を網羅

さて、内容を目次から拾ってみると・・・

火をおこす / 料理する / 食べる / 獲る / 寝る / 切る / 結ぶ / 歩く / 伝える / 測る / 遊ぶ / 救う / 鍛える

の13項目に分けて挿絵とともに解説している。対象とする読者は中学生くらいまでだろうか、そのため平易な文章となっている。「結ぶ」「測る」あたりはすぐ役に立ちそう。

単なるマニュアル本とはひと味違う。「どうしたらうまくできるか」だけでなく、「かの女とキスができる。口移し人工呼吸法」などと若輩をドキドキさせながらも、「医者きどりで、手当をしてはいけない」と諌めることも忘れない。中には「人間だけが火をおこせる」というような多少哲学的なものもある。

挿絵がイイ!

本書は文章の他に石川球太石川球太 による挿絵もオススメできる。時代を感じさせるタッチではあるものの、写実的で、紐の結び方など複雑な指示もわかりやすい。

でもね、オススメの理由はここではない。例えば、上の挿絵なら左上のナイフだ。やっぱり、ここまで描かないとね。

他には、見ていて笑ってしまうブラック・ユーモアみたいなのが結構ある。「ナイフなどは危険だからと持たせてくれない」ことを嘆くページにはタクアンを切っている包丁と切れた指の挿絵があったり、「食べられる動物」のページの最後には女の子がナイフを持って危険に身構える絵があり、そばに「ニンゲン」と書いてあったりする。

今の子どもだってこのくらいのブラック・ユーモアは通用すると思うのだが、その周りにいる大人はどうかなー。近頃の風潮を見ていると、大人の方が異常に見えることもあるし。

なんでもかんでも自給自足で、というよりは、ナイフや鍋などの道具があることが前提の内容が多い。40年前の内容とはいえ十分役に立つのではないかと思う。

もし、災害にあったら私は本書を持って逃げることにする(マジで)。比較的最近の「新 冒険手帳―災害時にも役立つ!生き残り、生きのびるための知識と技術」も見てみようかと思っている。

marginalia?

古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

管理人のプロフィール

ご意見など

お名前
メールアドレス(公開されません)
ウェブサイト

トラックバックURL:

このページの先頭へ
古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト marginalia.jp
古本市・本の買取・読書グッズの情報サイト
読書占い
Copyrights © 2008-2017 marginalia.jp all rights reserved.