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男の友情が生み出した蔵書の行方 書評:失われし書庫

ジョン・ダニングの古書ミステリーシリーズ第三弾。

いつかのためにと読まずにとっておいたのだが、昨年の10月に第五作が出たのを知り、もうガマンする必要もないだろうと読むことにした。

このシリーズのすごいなー、と思うところは毎回切り口が違うところ。古書ミステリーなんてネタはそれほど広がらないような気がするのだが、今回はまた随分と違った趣向でおもしろかった。

今回の話では、謎めいた本に関係する、二人の男の友情をその手記みたいな感じで描いている。これに古書がうまーく絡み付いている。

・・・デンバーで古書店を営む元刑事のクリフは、オークションで冒険家リチャード・フランシス・バートンの美本を3万ドル近くで落札する。この本にはチャールズ・ウォレンという人物に宛てた献辞があった。クリフが高値で落札した話はあっと言う間に世間に広がった。そんなある日、一人の老婆が訪ねてくる。

彼女はバートンの未発表の原稿があると言う。また、バートンの親友だった自分の祖父・ピーターはバートンの本を全て持っていたのだが、その蔵書は悪徳古本屋・トレッドウェル書店に端金で持っていかれてしまったとも言った。

クリフは老婆の世迷い言かとも思ったが、老婆が亡くなる寸前に騙しとられた蔵書を見つけ出す約束をしてしまう。蔵書を探すうちに、友人の妻が殺され、調査の協力者の家は放火に遭う。殺人事件の解決も心に誓ったクリフは、とりあえず蔵書を探すために100年以上も前のバートンの足取りを追うことにした。

やがて蔵書の行方は殺人事件と同じ方向を向き始め、クリフは一つの仮説へ辿り着く・・・

実在の人物、リチャード・フランシス・バートン

アラビアン・ナイトアラビアン・ナイト の翻訳でも知られる、イギリスの探検家・リチャード・フランシス・バートンリチャード・フランシス・バートン は実在の人物だが、本書に出てくる話は創作である。創作なのだが、ヒジョーに良くできている。

バートンの伝記によると、1860年の5月から約3ヶ月の足取りが不明なのだそうだが、著者はこの3ヶ月をうまく埋める話を考えだした。バートンは親友とアメリカ南部を旅していた・・・。

ピーターとバートンの旅行を描いたところはミステリー部分と直接関係ないのだが、私はここがとても気に入っている。偶然に出会った二人の男が、お互いを認め合い、別れ、その後何十年にも渡って手紙と本だけで親交を深める様は男の私から見ても美しい。

「ここだけ取って一冊の本にしてもいいくらいだ」

とマジで思う。

冒険ものが好きな方にもオススメです。

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古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

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