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「アンタなんかに分かる必要はないんだよ」と言われたような気がした 書評:蛇にピアス

予備校に通っていた時のこと。それまではスッピンで色白のカワイイ女の子がある日突然化粧をしてきた。これがヘタでさ。目の辺りの化粧がとくに減点対象で「せっかくカワイイのに、もったいない。」「まあ、こうして化粧が上手になっていくんだろうな。」そう思った。

私は当然ながらいままで化粧というものをしたことがない。バイトしていたときに同僚の女性に「化粧したら似合うと思いますよ。」と言われたことがあった。そんな彼女は聖飢魔II聖飢魔II のファンで、コンサートの時には普段からは想像もできないような悪魔になっていた。「オレに似合う化粧とはコレだろうか・・・」

デーモン小暮閣下の手下どもはともかく、私は長らく女性の化粧は自分を美しくみせるためのものだと思っていた。ところがその概念を覆す連中が現れる。ヤマンバだ。どーしてこう、人間じゃないものばかりなのか。

ヤマンバだってべつにカワイイと思ってああしているわけではないようだったが、人間の女性が好きな私は当然「なんで?」ってことになる。

本書は蛇にピアスをするという一連のイベントが時間軸として使用される。蛇とは舌であるが、主人公のティーン、ルイはナンパしてきた若者のスプリットタン(舌の先を二つに切り分けること)に魅せられる。そして、自分もスプリットタンにするための第一歩として舌にピアスをするのだ。登場するルイ、シバ、アマはそれぞれに身体改造身体改造 をしている。

眉や鼻、唇にピアス、蛇みたいな先の分かれた舌。やはり、なんで?ってことになる。まあ言わずもがなであるが、カワイくなるためにやってるわけではないんだよね。ルイも舌のピアスの穴を大きくして行く過程でそれを考える。それが何なのかはハッキリとはしないが、そこに何かを求めているのは確かだ。本書からその理由を垣間みることができたような気がしたが、なんとも説明が難しい。

本書は性的描写も多く、話の展開も割と激しい。著者の描きたいもの、それはルイがスプリットタンで得たいものと本質が同じように思える。しかし、それがボヤッとして私には分かりそうで分からない。分からなさそうで分かるような気もする。読み終えたあと、そんな私を見透かしたように「アンタなんかに分かる必要はないんだよ」と言われたような気がした。

デーモン小暮閣下、もし理由がお分かりでしたら教えてください。

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古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

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コメント / トラックバック

  1. アクトヘアースタジオ
    2008年07月02日 水曜日 07時31分

    デーモンはどうあれ・・・(笑)

    人間は根源的に、「誰かに自身の存在を認めて欲しい」という欲求があるんだと思う。

    正常な人間は、誰かの役に立つ事で、もしくは、誰かの要望に沿う事で存在を示す。他者からの感謝という形で。

    ところが、誰かの心配や哀れみや蔑みなどでも、存在をアピールする事が可能なのである。そして、その方が誰でもインスタントに出来る事なのだ。

    履き違えると、180度違った形になってしまう訳だ。

    悲しいかな、戦争などの不安定な世の中では前者が注目され、平和の中では後者が注目される。

    そして、それさえも、数が増えれば数の中で存在をアピールする事は困難になってくる。その結果、振り子現象のように繰り返されるのだ。

    なので、どんな時代においても、全ての人を正常にする方策は無い。

    その無常感が、「判るような判らないような」感じになるのではないかと思う。

  2. 管理人
    2008年07月02日 水曜日 21時58分

    アクトさん

    >誰かの心配や哀れみや蔑みなどでも、存在をアピールする事が可能なのである。そして、その方が誰でもインスタントに出来る事なのだ。

    やっぱり、アピールの一つなのかな。登場人物の一人、アマにとって身体改造はアピールの一つという印象が非常に強いので分かりやすいのですが、ルイにはそれを感じませんでした。一方、アクトさんの言う「無常感」というのはあたっているような気がします。

    ここら辺の話題って結構深いですね。

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