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著者と友達になりたくなるエッセイ 書評:本棚から猫じゃらし

もう何年も前、身近な人が癌になったことがあった。知り合いが癌になったのは私にとって初めてのことで、正直かなりマイッた。病状を聞くと、さほど進行している訳ではなさそうだが、転移しているかどうかは手術をしてみなければわからないということだった。

私はそれからしばらく、「癌」という文字にやたらと敏感になった。新聞を開く。あれだけ文字が並んでいるのに、漢字カタカナひらがなを問わず「がん」と読める言葉がやたらと目に留まるのだ。まるでイヤなヤツのイヤなところばかりに気づくように。そんなことがあったこともいつしか忘れてしまったが、その人がいまも健在であるからだろう。

たくさんの文字の中で、そこに吸い寄せられるように目が止まる。そういうことが古本屋でもある。売れないからたくさん残っているということではなく、たくさんある本の中でなぜか私には目立つのだ。群ようこ群ようこ の本がその一つにあたる。

最初著者名の読み方が分からなかった。「むれ・ようこ」著者の紹介にはそう書いてある。変わった名前だなと思いながらも手に取っては買わずを繰り返した。そうしているうちに根負けして(?)「本棚から猫じゃらし」を買ったのだ。

読んでみて思うが、もっと早く買って読めば良かった。

本書は群がいままで読んだ本に関するエッセイだ。本はいまどきの本ではなく非常に渋い選択となっている。自慢じゃないが本書にある中で私が知っている本は芥川龍之介「鼻」、宮沢賢治「よだかの星」だけ、それも書名を知っているだけで読んだことはない。

本の内容をツラツラを書いている訳ではなく、日常のちょっとしたことから始まり、それが本の内容とシンクロしていく。とにかくこの日常のちょっとしたことが笑えるのだ。Amazonの書評で「自分をさらけだすのがうまい」と評している人がいるが、まったくその通りだと思う。私は群とは知り合いではないし、これからも知り合うことはないと思うが、それでも会えば他人とまでは言い切れないほどの親しみを感じる。

この際紹介している本なんかどうでもいい、本書で群という女性の魅力を存分に味わってほしい。

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古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

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