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とってつけたようなミステリー 書評:盗まれたスタインベック

ロサンゼルスで古書店を営むジェフリーは古本市の会場で懐かしい本を見つけた。スタインベックスタインベック の初版本である。世の中に同じ本はいくらもあるが、ジェフリーはその本が、かつて生活のために自分が手放したものだと直感する。

手に取って見ると、当時ジェフリーが自ら書き込んだ元値を表すコードが書いてあった。元値は15ドル。ところが本の売値は900ドル。法外な値付けを訝しむジェフリーに、店主が「献辞つきです」と答えた。

「献辞つき?」ジェフリーがこの本を手に入れたとき、スタインベックは既に亡く、献辞もなかったはずだ。目の前にある献辞は明らかに偽造だ。

ジェフリーはこの偽造がどうにも許せず、どうしたいのかもわからないままに調査を始めた。偽造の裏にアメリカ合衆国を揺るがす大きな陰謀が渦巻いているとも知らずに・・・

話の発端がとてもイイ。こういうの好きだ。しかし、この後が続かない。

ストーリーはそれなりにつながってはいるのだが、必然性が薄い。献辞が偽造されていた理由はまったく説明が足りないし、古書が全体のミステリーにからむことなく終わってしまう。古書じゃなくてダイヤモンドでも偽札でもいけそうな感じがする。途中で数回出てくる濡れ場はやたらと詳細に書いてあり、全体から浮いている。

一方で、とってつけた感が破綻までいかないのは主人公ジェフリーのせいではないかと思う。

ジェフリーは本に対する興味はたくさんあるが、その一方でどこか冷めているようなところがある。主人公にとっても古本は人生にとってつけたようなものだから、それがストーリー上、重要でなくても影響はないわけだ。

「なーんか、とってつけたようなミステリーだな」

小鷹信光小鷹信光 による解説にも「あとからミステリーを付け足したのではないか?」というようなことが書かれていて、なんとなく納得してしまった。

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古本や古本市、本の買取、読書グッズ、本棚・書棚などについて書いています。私は読書が好きだし、楽しいことだと思っています。皆さんにも読書のある生活を楽しんでもらいたいと思ってます。

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